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次世代型ウィザード体感ゲーム『In Verbis Virtus』

Posted on 2012年6月12日火曜日 | No Comments

マイクを使って魔法をキャスト! 

『In Verbis Virtus』のデモをプレイしたところ、ゲーム内容がユニークで非常に魅力的だったので紹介してみよう。

プレイヤーが自身の声で魔法を唱えるシステム

『In Verbis Virtus』はイタリアのデベロッパIndomitus Gamesが開発中の一人称視点のアクションアドベンチャーだ。プレイヤーはさまざまな魔法を覚えて、それらを駆使して謎を解いていく。また、ときには迫りくる怪物を退けながらダンジョンの奥深くへと進んでいくといった内容になっている。
お馴染みのUDKにて開発
ゲーム開始時の屋外パートはうだるような暑さを感じさせる
さすがUDKといったところか、ダンジョン内のグラフィッククオリティはかなり高い
魔法のエフェクトもかなり美しく、ダンジョンと合わせて雰囲気は十分
ここまではどこにでもありそうな内容なのだが、ほかのゲームと一味違うのが本作の魔法詠唱システムだ。『In Verbis Virtus』の魔法はボタンをポチッと押すだけはダメなのだ。魔法を使うときは、プレイヤー自身がマイクに向かって呪文を唱えなければならない。

と言っても、別に魔法を行使するのに複雑な操作が必要となるわけではない。プレイヤーは左マウスボタンを押しっぱなしにして、その状態でマイクに向かって決まった呪文を発すればよい。あとは押していた左マウスボタンを放すことで呪文に応じた魔法が行使される。
ダンジョン内の石版に記された碑文を調べることで、魔法を覚えられる
Jで開けるジャーナルで習得済みの魔法を確認できる
唱える際に必要となる呪文(Formula)も、青字をクリックすれば音声を聴けるので安心
例えば最初に使えるようになるのは「辺りを照らす光を作り出す」魔法だ。これを使うことで暗闇でも道を見つけて進むことができる。
最初の魔法「Light」。強い光でプレイヤー周辺を照らせる
ほかにも手から光線を放つ「Beam of Light」や古代の仕掛けを魔法で起動できるようになる「Mark of Command」なんていう魔法もある。いちばん「おもしろいな」と思ったのはオブジェクトを掴んで動かせる「Telekinesis」。これはいわゆる念動力の魔法だ。テレキネシスといったほうがわかりやすいか。
扉を塞ぐ大きな柱。テレキネシスの魔法があるということは……
「Telekinesis」は対象に触れずにそのものを動かせるのだが、挙動自体はシンプル極まりない。『Half-Life』シリーズのグラビティガン、『BioShock』シリーズのテレキネシスのほうがオブジェクトの動きが激しく、見かけのおもしろさで言えばあっさりとあちらに軍配が上がる。

がしかし、プレイヤーが実際に呪文を唱えるという単純な行為が、グラビティガンにもテレキネシスにもない深みのある体験を作り出している。「声を発する」という自身の行為が引き金となり、ゲーム内のオブジェクトを動かせるというのが実に楽しいのだ。
自分の力でゲームにインタラクトしている感じがとてもよい。写真は浮き上がる石塊
ボタンを押してキャラクターが動くことに感動した、初めてゲームを触ったときの心情に似ているかもしれない。

魔法を行使するためにグリフを描くというシステムはいくつかのゲームで散見される(ニンテンドーDS黎明期のソフト群のほかには、『The Void』ぐらいしか浮かばないがほかにもあったはずだ)ものだが、音声による魔法の行使というのはいかにもそれっぽく、だからこそ楽しい。

過去にはPS2『オペレーターズサイド』や、PS3・Xbox 360・PCでリリースされた『EndWar』といったように音声入力をメインの操作に据えたゲームもあり、本来ならこれらと比較したいところ。ただ残念なことに私は両作品を少ししかプレイしたことがないので、これらとの比較は避けておく。

呪文を実際に唱えるというシンプルなルールによって、『In Verbis Virtus』は高い没入感、ロールプレイング感を実現している。個人的にロールプレイングできるゲームとしては初代『Thief』、『SWAT 4』、『Hitman: Blood Money』が個位作品として挙げられるのだが、『In Verbis Virtus』はこれらに匹敵するポテンシャルを秘めているのではないか、と今後に期待せざるを得ない。

ちなみに魔法の行使に制限はない。右上に意味ありげなバーがあるが、あれはヘルス(高所から落下してみればわかる)である。

音声認識が問題なのか、発音が問題なのか

『In Verbis Virtus』の難点は、いくら私が詠唱してもさっぱり通らない呪文があることに尽きる*1。特に最初に使えるようになる「Light」は、いくら唱えても全然使えないので操作ややり方が間違っているのかと思ったほどだ。一方で「Telekinesis」は簡単に通ったりもする。

恐らくは私の英語の発音に問題があるのだと思うが、もう少し入力の判定を甘めにしてもいいのでは、というのが正直な感想。デモ版はあまり迷ったりしなければ1時間程度で終わるはずなのに(解き方を知っていれば15分程度で終わる)、最初のエリアで30分以上費やすハメになってしまった。

まぁ、ろくに英語の読み書きもできない私があーだこーだ言っても仕方ない。音声認識が厳しめの設定になっているのかどうかは、ちゃんと英語が発音できる人の判断に任せるとしよう。ただ適当な発音で通るほど甘くはないということは言っておきたい。逆に最初の魔法さえできれば、ほかの魔法はたやすく唱えられると思う。

*1 スクリーンショットを撮影するため、プレイしなおしたところほとんどの魔法があっさり通った。これが私自身の鍛錬によるものなのか、単にマイクの不調だったのかは定かではない
マイクの設定はゲーム開始時に行えるほか、SETTINGSからも設定できる

デモ版は公式サイトにてダウンロード可能

公式サイトによると、開発メンバーは6名ということで完成にはまだまだ時間がかかりそうな雰囲気。なので本作に興味が湧いたのならすぐにデモ版をプレイするのがオススメだ。リリースされているのはWindows版のみで、MacやLinux向けのリリースは予定されていない模様。

『In Verbis Virtus』公式サイト
http://www.indomitusgames.com/

なお、動画を探しても2011年1月に投稿された古いものしか見つけることができない。この動画とデモ版とではグラフィックのクオリティに天と地ほどの差があるので、コンセプトを理解するのにしか役立たないという点も付け加えておこう。どう考えてもトレーラーが古いものだけなのは損なので、開発は今すぐにでも最新版でトレーラーを作るべきだと思う。

公式サイトでは右に示したようなアートワークをいくつか見られるのでそちらもぜひ。デモ版終了時にも敵キャラと思しきアートワークなども見られる。

余談

以下、推測ばかりの与太話。

開発がイタリアなのでイタリア語だと思っていたのだが、タイトルの『In Verbis Virtus』はラテン語のようだ。英語で言うと「verbis」が「words」、「virtus」が「virtue」に対応しているらしい。「virtue」は「徳」とされることが多いようだが、ラテン語の「virtus」は「徳」のほかにも「勇気」という意味もあるそうだ。いずれにせよ呪文に関するタイトルということは伺える(違ったらごめんね)。

さらに飛躍。

たぶん最後に覚える魔法は「In Verbis Virtus」で、覚える魔法は全部で9つだと思う。私の個人的な希望。

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